2007.07.26 12:252本のギター 僕が持ってるアコギは中2の時に父に誕生日プレゼントとしてもらったものだ。 誕生日が近付く春のある日、学校から帰って来た僕に父は 「出かけるぞ」 と藪から棒に言った。 言われるままに父の運転する車の助手席に乗り、街へ向かった。 はて、どこに行くんだろうと思っていたら、着いた先はある寂れた楽器屋だった。 所狭しとギターが並ぶ。どのギターもきらびやかに輝いていた。 当時僕は昔、兄のどちらかが学校の出し物で使ったというアコギを押し入れから引きずり出し、エレキは通販で買ったおよそ楽器と呼べないレベルのものを弾いていた。 それでも僕は満足していたし、夢中になってギターをかき鳴らしていた。 ビートルズのジョンレノンが「Love Me Do」でアコギを...
2007.07.21 12:25合鍵はそのまま持っててギターの弦が錆び付くのが早い。 「てめぇが弾かねぇから、すっかり錆びちまったじゃねぇかよ」 そんな声が奴から聞こえる。すまんかった。弾く気になれない夜もあるんだ。 人前で歌う時、僕はどれだけ本当の自分をさらけ出すことが出来てんのかな。 仮にも僕が思っていることを、僕の好きなメロディで歌って、なおかつそれを聴いて誰かが共感してくれる。そんな素敵なことが少しでもたくさん起こればいいなって、本当に思ってる。 ちょっとこっぱずかしいけど、音楽で人の心を変えることが出来ると信じてる。だって少なくとも僕はいろんな音楽に自分を変えられたから。 でも、ことさら他人の目や言動が気になって、ズルズル引きずってしまうのも事実。 そんな自分が嫌でたまらなくて、何...
2007.07.15 23:43メロンパン 大きなメロンパンのせいで いつか君と乗った観覧車がよく見えない 空は見渡す限り広がってるけど 僕の声は果たしてどこまで届くだろう 特別なことがあるはずない 真実なんて最初からないさ ここにいるっていう事実があるだけ いつになったら分かるんだい 誰かにとっての僕はただの他人であって そこに意味などあるはずない 生きてていいのかと思うだろう きっとね、無意味であることこそが意味あることと思うんだ ココアをのどに流し込んで 少し潤えばきっと Tweet .fb_iframe_widget > span { ...
2007.07.11 05:57海を見せたい僕がしてることと言えば、もっぱら必要最低限のことばかりのはずなのに、それすら疎かになるのはどんだけ僕は調子に乗ってるんだろう。 ことあなたのことになれば、それらしいことはなんにも出来ていなかったはず。 配られたカードにケチをつけては、あなたになだめてもらうのを待ってた気がする。 知ってるかい。 海の水はしょっぱいんだ。 川と海はつながってるから、同じ水のはずなのに、川の水はしょっぱくないんだ。 あなたが見たいと言ってた海を見せたい。 Tweet .fb_iframe_widget > span { ...
2007.07.06 23:22同じ空現在小田急線の電車の中。久しぶりに寝坊をした僕は、朝ご飯を食べるタイミングも捕らえられず家を飛び出した。 昨日のロックミュージシャンは今日のフリーター。 でも昨晩のライブ、見掛けには手応えが少なかったが、僕はスタートラインに立ったと感じた。ここからだ。 テーブルの上にあるからと言って安いワインをガブ飲みしてる場合じゃない。一番美味しいワインを香りで選んでゆくんだ。 研ぎ澄まして研ぎ澄まして、これでもかと言ってよいほど頑なに一点を見つめて走ろう。 出会いは大切。 しかしもっと大切なのは、むしろそのあと。その人とどんな人間関係を築けるか。自分の中のどこまでを、そしてその人の中のどこまでをお互い分かり合えるか。恋人に限ったことじゃない。 頑なに...
2007.07.04 05:38もうやめた梅雨特有のサラサラした雨が降り、渇いた心も少しばかり潤してくれている。 曇り空に映える緑。洗濯物が乾かないとか、毎年のように言ってる。しょうがないよ、この国に住む以上この気候は変えられないよ。確かに楽器には好ましくないけど。 だからこの前僕は除湿剤を買って来たよ。 思いのほかグズグズしてたみたいだ。梅雨入り宣言したにも関わらず雨が降らないのをいいことに、また悪い癖が出ちまった。 ちょっと待ってくれよ。まだ準備が出来てないんだ。 知ってか知らずか神様は、そろそろ引き際と言わんばかりに厚い雲を垂れ込ませる。 でもね、不思議と憂鬱じゃないよ。 この雨の季節が過ぎればまた暑い季節が来ることを知ってる。 すぐに追いつくから、大丈夫。 自分探しは...