僕がうたうたいであるのは、
たまたま僕の思ってることがメロディに乗って
出て行くだけであって、
別段特別なことじゃない。
そう思わない時期も確かにあったな。
「なんでただ哀しむだけが出来ないんだろう」って。
昔は、とても失恋の歌が多かった。
嫌になるくらい。
だって、恋人と一緒にいる時には、
その人に伝えるのに時間を費やしてて
歌を歌う必要も、時間もなかったんだもの。
気持ちを伝える機会を失って、初めて歌になっていく感じだった。
一人になる時間が、僕の言葉をメロディに乗せてった。
「なんでただ哀しむだけが出来ないんだろう」って、
正直思い悩んだ。
どうして歌にしなきゃ伝えきれないんだろう。
どうしてあの時この気持ちを伝えきれなかったんだろう。
って。
だから必然的にそういう歌が多くなっていった。
結局そもそも歌というものは、失恋からくるものだとさえ思っていた。
でもね、最近はそうじゃないんだ。
やっぱり、言葉で言わなきゃ伝わらないらしい。
「好き」なんて言葉を使えば、それはそのうちその言葉に重さがなくなるとか
そんなこと思ってたけど。
そりゃ、目と目を合わせてその人の瞳の中に自分を見つけられたら
最高だと思うよ。
けど、言葉はやっぱり大事だよ。
「言わなきゃ分からないよ、そんなこと!」
なんて言葉、何度言われたことか。
女友達に聞いてもそう。相談される時もいつもその内容。
「彼が私のこと本当に好きかどうかが分からないの」
よりによって、僕に相談するな、と思っていたね。
そう聞く度に、「あぁ、その彼はちゃんと好きって伝えきれてないんだな」
って思う。
「分かってくれよ」なんて、一番傲慢で無責任な言葉だ。
だから、僕はちゃんと伝えようと思うんだ。
言葉でちゃんとね。
歌はもちろん愛情だけを歌ってるわけじゃない。
自分が思ってることを、っていう意味で。
絵描きだったら、その想いをキャンバスに叩き付けるだろうし、
ものかきなら登場人物がその気持ちを伝えるだろうし、
俳優ならその台詞を限りなくリアルに喋るだろう。
では、会社員はどうか。OLはどうか。おまわりさんは。
システムエンジニアは。コンビニの店員は。タクシーの運転手は。
学生は。主婦は。
汗水垂らして生きるものは。
親の金でのほほんと生を貪るものは。
歌を歌わないのか。
絶対歌う。
例えばその人に悩みがあって、
同僚に居酒屋でその悩みを語るとき。
彼は彼が知るうるその言葉を駆使して、
その気持ちを伝えるだろう。
酒で火照った顔を拭き、
カラカラになった喉咽をぬるく苦くなったビールで潤すだろう。
それは、
うたうたいがメロディにどの言葉を乗せるのか煩悶するのと何か違うだろうか。
絵描きがこの色とこの色を使うか迷うのと何か違うだろうか。
ものかきが次の言葉を吐かせるのに一晩費やすのと何か違うだろうか。
皆必死で生きている。
必死な人の言葉は、生きている。
その言葉に僕は真実を見いだす。
ただ僕は
音楽というツールで同僚に悩みを打ち明けているだけなんだよ。
たまたま僕の思ってることがメロディに乗って
出て行くだけであって、
別段特別なことじゃない。
そう思わない時期も確かにあったな。
「なんでただ哀しむだけが出来ないんだろう」って。
昔は、とても失恋の歌が多かった。
嫌になるくらい。
だって、恋人と一緒にいる時には、
その人に伝えるのに時間を費やしてて
歌を歌う必要も、時間もなかったんだもの。
気持ちを伝える機会を失って、初めて歌になっていく感じだった。
一人になる時間が、僕の言葉をメロディに乗せてった。
「なんでただ哀しむだけが出来ないんだろう」って、
正直思い悩んだ。
どうして歌にしなきゃ伝えきれないんだろう。
どうしてあの時この気持ちを伝えきれなかったんだろう。
って。
だから必然的にそういう歌が多くなっていった。
結局そもそも歌というものは、失恋からくるものだとさえ思っていた。
でもね、最近はそうじゃないんだ。
やっぱり、言葉で言わなきゃ伝わらないらしい。
「好き」なんて言葉を使えば、それはそのうちその言葉に重さがなくなるとか
そんなこと思ってたけど。
そりゃ、目と目を合わせてその人の瞳の中に自分を見つけられたら
最高だと思うよ。
けど、言葉はやっぱり大事だよ。
「言わなきゃ分からないよ、そんなこと!」
なんて言葉、何度言われたことか。
女友達に聞いてもそう。相談される時もいつもその内容。
「彼が私のこと本当に好きかどうかが分からないの」
よりによって、僕に相談するな、と思っていたね。
そう聞く度に、「あぁ、その彼はちゃんと好きって伝えきれてないんだな」
って思う。
「分かってくれよ」なんて、一番傲慢で無責任な言葉だ。
だから、僕はちゃんと伝えようと思うんだ。
言葉でちゃんとね。
歌はもちろん愛情だけを歌ってるわけじゃない。
自分が思ってることを、っていう意味で。
絵描きだったら、その想いをキャンバスに叩き付けるだろうし、
ものかきなら登場人物がその気持ちを伝えるだろうし、
俳優ならその台詞を限りなくリアルに喋るだろう。
では、会社員はどうか。OLはどうか。おまわりさんは。
システムエンジニアは。コンビニの店員は。タクシーの運転手は。
学生は。主婦は。
汗水垂らして生きるものは。
親の金でのほほんと生を貪るものは。
歌を歌わないのか。
絶対歌う。
例えばその人に悩みがあって、
同僚に居酒屋でその悩みを語るとき。
彼は彼が知るうるその言葉を駆使して、
その気持ちを伝えるだろう。
酒で火照った顔を拭き、
カラカラになった喉咽をぬるく苦くなったビールで潤すだろう。
それは、
うたうたいがメロディにどの言葉を乗せるのか煩悶するのと何か違うだろうか。
絵描きがこの色とこの色を使うか迷うのと何か違うだろうか。
ものかきが次の言葉を吐かせるのに一晩費やすのと何か違うだろうか。
皆必死で生きている。
必死な人の言葉は、生きている。
その言葉に僕は真実を見いだす。
ただ僕は
音楽というツールで同僚に悩みを打ち明けているだけなんだよ。
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