【長文注意】ちょっとリレー語らせてください

リオデジャネイロオリンピックでの
男子陸上競技、4×100mリレー決勝において
日本が銀メダルを獲得する快挙!




すげえええええ!って
ニュースサイトから動画見て、
ゾクゾクしました。




僕も高校生の頃、4×100mリレー走者で
第二走者でした。




ちょっと語っていいですか。
今日めっちゃ長いですよ。
興味ない方は完全スルーでいいです。
語りたいだけですから。



リレーって二つあって
今回の4×100mリレーの通称「4継(4人で継走する)」と
4×400mリレーの通称「マイルリレー(1600mが約1マイル)」があります。


個人競技がほとんどの陸上競技において
団体戦とも言えるリレーは大会の最終種目だったりして
花形なんですよ。


また、それぞれの脚の速さだけじゃなく
バトンパスの優劣が勝敗を分ける競技なんです。

一斉にスタートしてから加速する個々の競技に比べて
加速した状態でバトンを渡すので、
単純に4人の自己ベスト記録の合計じゃないんです。


今回の日本チームがその最たる例です。
ジャマイカとかアメリカ、カナダとかは
自己ベストが9秒台の選手もいる中で
日本は全員が10秒台。

それなのに銀メダルってことは
いかにバトンパスが優れていたかってことです。

このバトンパスの奥深さ語らせて。
ウズウズ。

バトンを渡す区間のことを
「テイクオーバーゾーン」とか単に「リレーゾーン」とか言うんですけど
その区間でいかにバトンを受け取る側がトップスピードの時にスムーズに受け渡しができるかが
勝敗のカギ。

加えてテイクオーバーゾーンは20mなんですが
「その区間で受け渡しが行われればよい」というルールがあるだけなので、
次走者はその区間の始まりからスタートしなくてもよいんです。

勝負どころをどこに(誰に)持ってくるかも関わってくるんですが、
例えば3回行われるバトンパスを全部早い段階で受け渡せれば
アンカーが一番多く走れる、ということ。

でも、コーナーを走る第3走者で順位上げて
アンカーは逃げ切りたいのであればまた違ってくる、と。

んで、動画とか見ると分かるんですけど、
テイクオーバーゾーンの手前辺りに白い線あるでしょ。

アレ、各々のバトンパスの印なんですけど(だいたいがテーピング使っちゃう)
前の走者がその線まで来た時に次走者が走り出すっていう線で
その時その時のお互いの調子とか風向きとか見て
微調整するんですよ。

もちろん基準になる距離は
それまでの練習の中で何度も何度も試行錯誤するんだけど。

メジャーなんて持って入らないから、
みんな歩幅か足の幅で何足分とかで測るのね。
テイクオーバーゾーンの始まりの線に踵つけて
歩幅出さない歩き方でてくてく。
自分のスタートライン決めたら今度は
前走者がどこに来たらスタートするっていう線つける為に
またてくてく。

んで、スタートラインについて走ってくるのを待つ。

第一走者が右手でバトン持ってるから
(遠心力でコーナー曲がりやすい&コーナーの内側を走ることでより距離を短縮させる)
僕は左手で受ける。
その方がお互いの身体がぶつからないから。
それに前走者を待つ時に既に前傾姿勢で待つんだけど、
右手で受ける格好だと背を向けることになるから
走ってくるのが分かりづらい。

第一走者が目印の線まで来たら即座にスタート。
すぐにトップスピードにならなきゃいけないから瞬発力大事。
第一走者が自分にバトン渡せるタイミングで「ハイ!」って合図するから
それまで構わず全力疾走。
合図が出たら左腕を後ろに伸ばして
バトンを手に入れてくれるまで伸ばしたまま。
受け取ったらそこから第三走者まで疾走。

ちなみに
第一走者→スタート得意。
第二走者→脚力大事。
第三走者→コーナー得意。
第四走者→脚力大事。
みたいな感じ。

加えて第二走者は、バックストレートって言って
100m走とかの正面のストレートではなく
向こう側だから、必然的に応援が少ない。
(遠いからみんな来ない。孤独。)
よって他校の人たちと仲良くなる。

受け取るより渡す方が難しいから
突発的なメンバーチェンジあると、自ずと第四走者にイレギュラーメンバー入れることになるから
どの順番もできるに越したことないんだけどね。

で、第三走者のところまで来たら、
相手が自分でつけた線まで来た時に走り出すから
タイミング見て合図。
腕伸ばしてきたらバトンを渡す。

もちろん走ってる時腕振ってるから
前走者も次走者も腕伸ばしたままなのは不利。
だから走るテンポも合わせて、腕の振りを合わせる。
相手の右腕が後ろに降られた瞬間に
自分の左腕が出るのがベスト。
それを何度も何度も練習する。

前走者の右腕が後ろに振られる→合図
次に前走者の右腕が後ろに振られるタイミングで(二歩先)
前走者も右腕を伸ばしてくるから
それ目がけて自分も左腕を伸ばす。
そうすると、ピッタリのタイミングでバトンパスできる。

ちなみにパスの仕方にも二種類あって
オーバーハンドパス(前走者が手のひらを上にして出す)と
アンダーハンドパス(前走者が手のひらを下にして出す)があるの。

アンダーの方が腕の振りに無理がないからいいんだけど、
バトン落とすリスクが高い。
オリンピックとかはみんなアンダーじゃないのかな。
日本チームは結構前からアンダーなんだよね。
今回アンダーハンドパスな上に結構後ろまで腕のを伸ばすやり方に変えたって聞いて
ちょっと怖いと思った。

アレ落とすとトラウマになるからね。

第三走者に無事に渡せたら
「行けー!」とか適当に叫んでおく。
周りも結構なんか言ってるから聞いてると面白い。
割と恥ずかしいこと言ってる。

すぐに減速すると膝痛めるから、
ゆるゆるスピード落とす。
そうすると、だいたい第四走者のスタート地点くらいまで来ちゃう。
この時、自分達のコースから出ると
他のコースの人たちにぶつかるから注意。
もし後ろにまだ走者いたら走行妨害で失格だし。

第三走者が無事に第四走者にバトン渡すの見届けたら
あとはお任せ。
この時、第三走者のつけた印を剥がして帰るのがマナー。
じゃないと干からびたテーピングがそこかしこに貼られてて
結局みんなでベタついた汚れを掃除する羽目になる。
付き添いいたら、その人が剥がしてくれたりするけどね。

そんなこと気にしながら今回の決勝を見ると、
楽しいと思います。
バトンパスはホントオリンピックレベルでも失敗するの見るからね。
むしろそれだけ失敗スレスレの線を狙ってくる技術なんだと思う。
スタートダッシュ然り。
これも奥深いんだけど。

三着のアメリカが失格(第一走者と第二走者のバトンパスでテイクオーバーゾーンに入る前にバトンが接触したらしい)したけど、
日本は二着で、繰り上がりでもなんでもないから
正真正銘の銀メダル。
第一走者と第二走者のバトンパスが少し詰まったって実況してたけど、
これが前述したお互いトップスピードの状態でバトンパスできるか否かってやつ。
第二走者の飯塚選手のギリギリ感のあるバトンパス、たまらんスね。
調子悪いと詰まって落としたり、
逆に逃げすぎて渡せなくてゾーン超えてしまうってのがあるから
オリンピックレベルの見てたらホント惚れ惚れする。
下手なとこあるけどね。

あんなに体格差がある陸上競技で銀メダルって相当すごい。
特に距離が短ければ短いほど筋力が瞬発力とかに比例して
体格イコール実力だったりするから。

マイルリレーのこととか
もっと語りたいことあるけど、
今回はいいや。
あースッキリ。

んで、おめでとうございました!












陸上競技って
地味とか暗いとか練習の邪魔とか(主に他の球技種目の部活から)言われるけど、

こんだけ奥深いんだぞってこと言いたかっただけです。




でも、実際に地味です。




3:28

うたうたい 堺輝

うたうたい堺輝の綴るしょーもないアレコレや ライブスケジュールなど

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