そっちのけ

最近、朝起きると
双子が並んでテレビ見てる。


N◎Kの教育番組的なやつ。

歌が流れると
ノリノリで見てる。


そんな後ろ姿を
ぼんやり見ながら

トースト食べてたら


英語であそぼ、ならぬ
日本語であそぼってのやってた。


僕が小さい頃なかったよね。

英語であそぼが始まった頃だと思うけど、
子供ながらに


英語っすか…。
って思った気がする。


なんかやたらハイテンションな
お兄さんお姉さんと
なんのモチーフか分からないぬいぐるみが

英語で会話してて
僕も小さい声でボソボソリピートしながら


ケっとか思ってた。
その何年後かには
英語の歌大好き人間になるんだけど。


んで、その日本語であそぼ見てたんだけど、
ちょうど双子が飽きて
各々おもちゃで遊び始めた頃、

今日の詩を紹介するコーナーみたいのが始まった。


そこで紹介されてたのが
中原中也の月夜の浜辺。


渋すぎる。
チョイスが渋すぎる。


そしてまた、子役の朗読が上手い。



気づいたら
双子よりも釘付けになってた。





月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際(なみうちぎわ)に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂(たもと)に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
   月に向ってそれは抛(ほう)れず
   浪に向ってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
指先に沁(し)み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?

中原中也「月夜の浜辺」



1:28

うたうたい 堺輝

うたうたい堺輝の綴るしょーもないアレコレや ライブスケジュールなど

0コメント

  • 1000 / 1000