いやぁ、困った

高校生の僕は
修学旅行でクラスの同級生達と
その日泊まるホテルに荷物を置いて、
ひとしきりホテルの中を散策した。

教室ではない
普段とは違う空間に
制服で、友人達とそこにいることにただ興奮していて
なんだか股間がふぐふぐしてた。

ホテルに隣接されてるテーマパークに行こう、と
誰かが言う。

次の瞬間には
アクリル製の球体のゴンドラみたいな乗り物の中に
友人達と4、5人で乗ってた。

きゃあきゃあ言いながら
すっかり皆子供に戻っていた。

さぁ、出発するぞ、というその瞬間、
明らかに予期しない揺れを感じる。

あるべきコースを外れ
ゴンドラは地上へ真っ逆さま。
何時の間にか溢れていた濁流に着水したことによって
大破は免れたものの、
ゴンドラの中は既に阿鼻叫喚の地獄絵図。

どっちが天か地か。
空気中か水中か。
分からない状態がしばらく続いた。

あぁ、もうダメかも。

幸いに割れたゴンドラから投げだされ
近くの瓦礫にしがみ付いた。

ポケットに入れておいた携帯がない。
あ、そう言えば指環もない。
いやぁ、困った。アレはずっと着けてるお気に入りのやつなんだよ。
とりあえず、生きてるか。









ここで目が覚めた。
就寝中だったから、指環をつけていないだけだわ、と
なぜか安心した。

ひどい寝起きだった。

それから、起きる時間まで
眠りの糸口を見つけては
するりと逃げてく睡魔と追いかけっこ。

いい気分じゃねぇなぁ。

うたうたい 堺輝

うたうたい堺輝の綴るしょーもないアレコレや ライブスケジュールなど

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