三島に行く時に小田急線と東海道線を乗り継ぐ。
いつも小田原のホームで缶コーヒー飲みながら電車を待つ。
ちょっと時間が空くもんでゆっくり煙草吸いながらね。
つい何週間か前、いつもの灰皿の所にある男性がいた。
なんて言うんかな、空気?
空気が一緒だった、僕と。
同じように革ジャン着てたせいもあって、
お互いチラッと目を合わせただけで、お互いの存在を認識したみたいな、ね。
もしかしたら彼も普段はギターを弾いてるかもしれない。
その時は二人とも楽器なんて持ってなかったけど、お互いの気を読み取ったみたいな感じだったんだよ。
初対面なのに「よぉ」みたいな。
そんなこと考えながら
おもむろに煙草に火を点けようと思ったらさ、
ジッポのオイルが切れてたみたいでなかなか火が点かなかったんだよ。
すると彼、サっと自分のライターに火を点けて寄越して来たんだ。
僕は小さくありがとって言ってさ、彼の火で煙草に火を点けた。
ちょっと風が吹いてたもんで、二人で手を添えたりなんかしてさ。
なんだかそれが僕はとても嬉しかったんだ。
そしたら先週と今日、2週続けて煙草の火を貸してくれと言われた。
彼じゃなくて全然違う人だけどね。
同じホームの喫煙所で。
快く火を点けてあげたよ。
誰かが僕の煙草に火を点けて
誰かの煙草に僕が火を点けて
きっとそういう風に出来てるんだろうな。
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