バイトの帰り道、足が思わず止まった。
やけに今夜は明るいなと思ったら、煌々と照らしてた。
僕を、ではなく。
僕を含む全てを。
満ち欠けする月に、自分を重ねることがよくある。
今日みたいに満月という完璧な時もある。
夜毎欠けていく姿に、抗えない運命を感じたり。
巡り巡って光が全て消えた時、「見えない」のに「ある」という状態になる。
その事実に改めて気付いた時、驚いてしまった。
「ない」という存在。
「自分なんかいなくてもいいや」という人間の存在する意味。
新月とはよく言ったもんだ。素敵な名前を付けてくれたもんだよ。「終月」じゃなくて良かった。
いいかい、新月は、いつか満ちるんだよ。
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